プロヴァンス風の家
プロヴァンス風の家とは
南仏・プロヴァンス地方はカンヌやコート・ダジュールなどがある一大観光地としても有名です。
私たちが考えるプロヴァンス風住宅の特徴は以下の5つです。
- 彩り豊かな瓦屋根
- 瓦に苔が生え、また瓦そのものが変色しているため、紅葉したようなカラフルな色合いです。
- 漆喰や石造りなど天然素材を用いた外壁
- 白やクリーム色の漆喰壁、石造りの壁が抜けるような青い空によく合います。
- 伝統を受け継ぐアーチ形の開口部
- ローマ帝国時代の凱旋門以来、地中海地域の伝統を受け継いでいます。
- スチール製の手すり
- 手すりには花の咲いた植木鉢が飾られることが多く、お住まいに色どりを加えます。
- 大きな構造材を見せる意匠
- 露出した大きな梁がぬくもりと安心感を与えます。
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彩り豊かな瓦屋根のプロヴァンス風の家
お住まいの立地条件
分譲地の家です。日本の分譲地とは土地の広さの意味でもイメージが違います。
無垢の素材を用いた建具
日本の住宅では1階はシャッターを用いることが多くなりましたが、プロヴァンス地方では木製の鎧戸を用いることが多いです。
木でできた鎧戸には味があります。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- 壁を厚く作っているため、サッシが壁面よりも後退して付けられています。地中海沿岸は夏の日差しが強いため、暑さを避けるために壁を厚くして断熱性を確保しています。
- 天井のシャンデリアがヨーロッパを感じさせます。壁が一面タイル張りになっています。
- キッチンはあまり大きくありません。日本のお住まいと似ているところがありまあります。全面白で統一すると、圧迫感がありますが、一面だけアクセントをつけた色にしても良いものですね。
- お庭の手入れが行き届いています。芝生がじゅうたんのように手入れされています。
漆喰や石造りなど天然素材を用いた外壁
4段に重なった屋根
瓦が葺かれている面が4段になって見えます。実は装飾だけのため設けられた庇が2段ありますので、屋根自体は2段になっています。
構造材の面でも贅沢普請
屋根が重なる分だけ柱を長くする必要があるので、それだけでも贅沢な造りといえます。
最低でも13尺(3,939mm)の長さが必要ということになると思いますが、工事をしているともう少し欲しいなー、と思うことがあります。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- 角度を変えて左側から撮影しています。正面ｊから見ると平屋ですが、後ろの部分は2階建てになっています。庇部分で瓦の重なり部分を作って豪華に見せる意匠は南ヨーロッパの地域ではよく行われます。
- キッチンの建具は緑色、そして流し台の上などのタイルも緑色。統一感があります。さりげなく建具が収納されているスペースの上部がアーチ型になっていてお洒落です。また、天井の構造材を見せているところで大胆な印象も受けます。
- 2階部分から階下の居間を撮影しています。直行階段は転落した時に危険と言われていますが、意匠的には大胆で力強い印象になり一長一短です。ただし、この場合は、直下にガラスの窓があるので、安全面からは明らかに問題があります。
- 居間から外を撮影しています。先ほどの安全性の問題を除くと、はめ殺しの大きな窓は非常に開放感があります。暖炉の存在もインパクトになっています。
- 寝室です。寝室自体はあまり日本の家と変わらないかもしれませんが、照明器具のデザインは日本とは少し違うようです。
- 最近日本でも見られるようになった浴槽なしのシャワースペース。タオルを収納するステンレス製の棚がセンスの良さを感じます。
漆喰壁と素焼きの瓦がお洒落にマッチしているプロヴァンス風の家
漆喰壁と素焼き瓦の対比
白い漆喰壁にオレンジ色の素焼きの瓦が大変美しい住宅です。
たいへんシンプルなデザインの外観ですが、漆喰壁の中に埋め込まれた素焼きの瓦のオレンジ色が美しいです。
プロヴァンス地方ならでは
日本ではあまり見る機会がありませんが、プロヴァンス地方は瓦屋根の美しさで有名な地域であるため、こういった装飾を見ることができます。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- 上の写真の位置から少し後方で全景を撮影しています。
- これまでと同じ方角ですが、近くの丘の上から撮影しています。屋根瓦の様子がよくわかります。
- これまでの撮影よりも左側に回り込んで妻側から撮影しています。
- 妻側で近距離からの撮影です。ドア近くに取り付けられたアイアンの照明がお洒落です。
伝統を受け継ぐアーチ型の開口部
立地条件
写真のとおり静かで穏やかな住環境にあり、山々に囲まれ周囲にはブドウ農園とワイン醸造施設もあります。
お住まいの様子
天井が高く大きな居間から食堂と台所につながるように設計され、台所からはテラスに出ることができます。
玄関の反対側は林があり、こちら側はプライベートエリアになっていて、プールも設置されています。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- 南面を別角度から撮影しています。１階中央部の柱は円柱ではありませんが、アーチ形状になっています。柱の上部の面積が広くなっていて、古代ギリシャ建築のようです。
- 中央部には造り付けではありませんがストーブが設置されています。その横にはガラスブロックでできた壁があります。断熱効果の面では不利ですが、採光面ではメリットがあります。
- この家のリビングが広く確保できる秘訣はこの写真に出ています。上部に構造材が見えていますが、これを合掌造りといいます。これを用いることで柱を立てずに大きな空間を確保できます。
- 意外とキッチンスペースは狭いことが多いようです。それというのも、昔は農家のお住まいは作業スペースに充てられがちで台所はせまくなりがちでした。拡張が困難な場合はそのままになってしまうようです。
- ダイニングからキッチンを撮影しています。上部のスチール製の照明器具がお洒落です。ダイニングとキッチンの区切り方も日本とはちょっと違いますね。
- 寝室の一つです。天井に丸太が見えると思いますが、丸太の上はすぐに2階の床で、1階の天井と兼用になっています。日本でも農家のお住まいは同様の作りをしていました。
スチール製の手すり
このお宅は冒頭にの記載したプロヴァンス風の家の特徴を良く表しているように思います。
繰り返しにはなりますが、
ポイント1
白い壁に水色の鎧戸がよく合っています。
ポイント2
屋根に飾りの瓦が2段重ねられていて3段になって見えます。すごく豪華な印象を受けます。
ポイント3
アイアンの手すりが付いたベランダ。どれも家を立体的に見せる要素があるように思えます。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- これだけ広いリビングでは鉄骨造でもないと、真ん中の柱なしでは難しいですね。一番奥のキッチン部分との境目はさりげなく壁がアーチ形状を描いています。
- フランスでも現在はシステムキッチンが多いですが、このお住まいは個別に購入して揃えています。デザインが日本とはかなり違います。
- 寝室です。やはり、室内は漆喰壁が多いです。ですが窓枠や建具の色は比較的住まわれる方の個性が出るようです。床は300角以上の大きめのタイルが好まれるようです。いずれも夏の暑さ対策で共通しています。
- 外の風景です。ベランダに取り付けられたアイアンの手すりの形がよくわかります。
- タイル張りの浴室です。日本ではシロアリ対策のためにユニットバスが標準になりましたが、タイル張りには味があります。写真のようなユニークな流しも日本で購入することができます。
- 玄関入口です。日本では庇を出すか、もしくは玄関部分だけ屋根を設けますがこうした作りであれば雨や日差しを完全に避けることができます。
大きな構造材を見せる意匠
フランス版「うだつ」
ちょっと見にくいかも知れませんが、中央部左よりの棟は切妻屋根ですが、妻側の外壁が屋根よりも高く立ちあがっています。ヨーロッパ東部や北部でもではこういった形のお住まいは存在します。
景観規制に適合する瓦
このお住まいは比較的新しいので、屋根の瓦は現代の製品が使用されています。
経年変化をした瓦のように非常に美しい製品です。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- 角度を変えて右側から撮影しています。最近日本でも見られるようになりましたが、片流れの屋根形状を取り入れています。
- 軒の出を大きくとってテラスを作っています。日本では敷地面積の関係でなかなか実現が難しいですが、屋内でもなく屋外でもない空間で、開放的な気分を味わうことが可能です。
- 寝室です。ドアからはすぐに庭に出ることができます。
- 居間からはアイアンの手すりの後ろのガラス越しに2階スペースが見えます。このガラス周りの構造材は大きな材料を使っていますが、その下の暖炉の部分は白い石で繊細なデザインがなされています。この対照が大変ユニークです。
- お庭にある物置です。石造りの物置もすごく風情があります。壁が厚く作られているので、日本の蔵のように保温性に優れています。こんなところにもスペイン産の瓦が使われています。
- 非常に個性的なキッチンのレイアウトですが、黄色の線がとっても印象的です。こうしたレイアウトであれば、対面式のキッチンにしなくても同様の効果が得られ、なおかつ広い空間が確保できます。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。以下に、他の現地住宅写真のページをご紹介いたします。
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