
東京都・T様邸の施工風景です。
細部にまでこだわった南欧風住宅です
サッシや鎧戸もフランスからご自分で輸入されました。
お客様はこのようなご要望をお持ちでした
凹凸のはっきりした南ヨーロッパ風の屋根を表現したい
- 現地で多く用いられているのは、日本では神社・仏閣などの限られた用途にしか用いられない本葺きの瓦。ダイナミックな印象を受けますが、工事に手間がかかり工事単価が上がってしまいます。
- そこで、このダイナミックさを表現する瓦が製品化されており、今回はこの製品を使うことになりました。
瓦の色も経年変化したように見える個性的な製品を使いたい
- サッシや鎧戸はフランスから直輸入の製品を使うため、瓦も国産の製品では表現できないような個性的な色合いのものを使いたいというご要望でした。特にフランスなどで苔の生えた瓦が美しく見えることに非常に関心を持っておいででしたのでスペイン産の瓦は最適の製品であると言えます。
- 国産の製品は大胆な色遣いという点では、まだスペイン産の瓦に今一歩及ばない部分がありますし、焼成の過程で大きさにも制限があって平板瓦と大きく規格の異なるものは製品化が難しい面があります。
- これらのことから、スペイン産は色遣いも力強く、前述の凹凸のはっきりした性質もありますので国産では味わうことのできない屋根を実現できるものと私たちの製品を自信を持ってお勧めいたしました。
- BW10という製品は非常に凹凸がはっきりしています。ですから本葺きのダイナミックさを十分に発揮することができます。
国産の瓦に比べて凸部分の幅が大きく、高さも段違いです
最近の傾向としては屋根をあっさりと見せること。そのために使われることが多いのが平板瓦です。しかしながら、力強い屋根を表現するなら凹凸のはっきりした瓦を使うことが必要になります。
スペイン瓦はダイナミックな屋根に仕上げるのに適しています
上の写真のようにスペイン瓦は凹凸が非常にはっきりとしているために、仕上がりも男性的で力強い印象になります。平板瓦では味わうことのできないデザイン感覚です。
- スペイン瓦は数百年の時を隔てた瓦の味わいを表現します。ですから、時が経つにつれて瓦の魅力が増して行きます。
スペイン瓦の美しさの原点は積み重ねた歴史の重み
彩り豊かなスペイン瓦の原点は歴史とともに焼き物である瓦が徐々に変色して行くことにあります。最も大きな要因は瓦にコケが生えて行くことにあります。特に全ての瓦に一様にコケが生えるわけではなく、苔が生えるものと生えないものがあります。この関係で屋根に色ムラが生じて美しい屋根になって行きます。
スペイン瓦は1枚ごとに色が違います
前項で苔の生え方によって色ムラが生じて行くと申し上げましたが、このことは現代の製品でも考慮されています。以下の写真では無作為に抽出した8枚の瓦の画像を掲載していますが、どれも同じ色合いのものはありません。
T様邸・実際の工事の様子を詳しくご紹介!
初めてお問い合わせをいただいてから工事完成まで1年半あまり。思いで深い工事の様子を振り返ってみたいと思います。
瓦が当社倉庫に入荷しました
瓦はメーカーからコンテナで運ばれてきますが、何と言っても地球の裏側から陸送と海上輸送を繰り返して運ばれてくるので破損状況が一番の心配ごとです。
私たちは東京港で陸揚げしていますが、この後コンテナのまま倉庫まで運ぶ方法と東京港でトレーラーに積みかえてから倉庫まで運ぶ方法があります。
一長一短ですが、今回はトレーラーに積みかえた後に倉庫まで輸送する手段をとりました。
- この日は2月20日。ドライバーとの打ち合わせで倉庫での引き取りは5時。まだ、太陽が昇ってくるまでには時間があります。
- 6時になってようやく太陽が昇ってきました。
- 荷がほとんど下ろし終ってドライバーも片付けに取り掛かり始めました(中央やや左)。今回は女性のドライバーでした。
瓦を屋根に上げ始めました
通常、埼玉県の北部では瓦を固定する役目を果たす瓦桟を施工する工程までを工務店が担当する場合が多いのですがT様の工事では私たちが担当いたしました。そしてこの2013年は雪の多い冬となり、瓦桟の施工が終わった翌日に雪の予報が出たため屋根にシートをかけて養生することになりました。
- シートをかけて養生しておいて良かったです。現場に近づくにつれて雪の量が増え、到着時に屋根の北側にはかなりの量の雪が残っていました。
- シートをかけておいたので、シートをはがしてすぐに瓦をあげることができました。そうでなければ北面の屋根は雪かきをしてからの作業でした。
- スペイン産の瓦は一枚の大きさが大きいので瓦を屋根の上に置くとほとんど隙間がないほどです。施主様も楽しみにしておられます。
瓦を葺き始めました
T様は工事期間中、お近くのアパートにお住まいです。お勤めの帰り道、毎晩屋根の工事が進む様をご覧になってお帰りになっておられます。工事が始まるまでの2年間に瓦の選択においても色々と検討を重ねていらっしゃいましたので、屋根が徐々に形になって行く様を喜んでいただきました。工事終了の日が日曜日であったため、施主様とご一緒に完成を喜び合うことができました。
- 屋根に向かって左側から工事します。ケラバから付け始めます。
- ケラバを付けた後、ケラバを覆うようにして桟瓦を葺き始めます。
- 工事がかなり進んで、どんな屋根になるのかおおよその見当が付き始めます。
- 最後の葺き仕舞もケラバを使います。桟瓦をもう一列葺きますが、足場を確保する為ケラバを先につけます。
- 最後の列の桟瓦を葺きました。丸を固定する為の針金を出すため、ケラバとの間には若干の隙間が必要です。
- ケラバと最後の列の桟瓦は重なりあう形状になっていないため、半瓦をかぶせて葺き終わりになります。
- 丸を釘止めする木材を固定する金具の高さを調整します。
- 念のため、実際に丸を木材の上に仮置きして高さを確認します。
- 工事が完成しました。

T様のお住まいの工事に携わらせていただいたきっかけは、2年前の9月に当社ホームページをご覧いただき、カタログをご請求いただいたことに始まりました。
瓦をご選択いただく際には、私たちの製品を採用いただいたお客様のお住まいを一緒にご覧いただくために東京より埼玉までお越しいただき、そのご熱心さに当方も感銘を受けました。
最終的にご選択いただいたBW10ビラベラは、10年前に当社においてこの製品を探し求めてスペインまで赴いた思い出の製品で、当社がスペイン産の瓦を取り扱う原点ともなった製品です。私たちが「これは!」と思った製品をともに共感し得たことは仕事冥利に尽きる思いです。
施工においても普段通り魂を込めた仕事をさせていただきましたので、仕事の内容においても、いわゆる平均点を割ることは決してないものと自負しております。
今でも工事最終日にT様がご満足げに屋根を見上げておられたことを私たちも覚えております。私たちにとっては私たちの仕事を喜んでいただけることが何よりの勲章と考えて、毎日の仕事に取り組んでおります。人生は色々な要素が加わって1本の道になって行くのだと思いますが、そのうちで大きな要素を占める仕事においてお客様のお役に立てることは本当にうれしいことです。
高木様に出会い、仕事を通してお付き合いができましたことを胸に刻み、今後も精進してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
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